実は6月の下旬に、猫のピーちゃんが虹の橋へ旅立ちました。
5年以上前から糖尿病を患っていて、
一日に三回のインシュリン注射が欠かせない状態でした。
さらに肝不全、腎不全を起こしており、
腫瘍ができても手術はできません、
と獣医さんに言われていたのです。
これまで何度も危篤の状態になりながら、
その度に復活して元気を取り戻していた不滅の猫さんでした。
でも昨年頃から乳腺腫瘍がみつかり、
これが肺に転移してしまいました。
今回も免疫賦活療法に一縷の望みをかけ、治療を試みました。
ピーちゃんは、危篤状態でも生きることを諦めてはいません。
ご飯も少しづつ食べるし、自分の足でトイレにもちゃんと行ったそうです。
ピーちゃんママは部屋に酸素室を作って、
一生懸命看病に努めていました。
その日、昼間は仕事で動物病院のICUに預けていて、
夜にピーちゃんママと咲夢ハハが迎えに行くと、
ベッドの奥から出てきて「さあ、帰りましょ」と気丈に振る舞っていたそうです。
そして病院から家に帰る途中、ピーちゃんママが運転するクルマのなかで、
咲夢ハハに抱かれながら息を引き取りました。
咲夢家では、ハハを送り出してしばらく経ったころ、
さっき〜が急にアニに前足をかけて、訴えるように鳴きました。
散歩は夕方に行っているはずでしたが、
「さっき〜どうした?散歩行きたいの?」と聞いても、
不安そうにリビングの隅で丸くなってしまいました。
「おかしいね」と思っていると、ハハから電話がかかってきて、
少し前、ピーちゃんが息を引き取ったことを知りました。
ピーちゃん、さっき〜にお別れを言いに来たんだね。
さっき〜もピーちゃんと少しずつ仲良くなって、
お正月には一緒の部屋でご飯を食べるようになっていました。
布団の上で二匹が寝ているシーンを写真に撮ろうと思ったのですが、
そのときはシャッターが間に合わずに
「また今度」と諦めてしまったのが悔やまれます。
その晩、みんなでピーちゃんをきれいに拭いて、
ベッドに寝かせました。
二日後には火葬して、お骨はピーちゃんママの家にあります。
しばらく一緒に過ごしたら、先代犬の蘭子と同じ墓地で散骨し、
少し残った骨は北軽井沢の白樺の根元に埋める予定です。
ここには蘭子が眠っているから、寂しくはありません。
ピーちゃんは、ピーちゃんママさんが保護した、もと放浪猫です。
マンション近くの木の下で、一週間も鳴いていたそうです。
それで家に引き取ることに決め、「木の下ピン」と名付けました。
蘭子が家族になったときは、全然ピーちゃんの方が大きくて、
蘭子が遊びたくて近くに寄っていくと、
「うるさいわね!」とねこパンチで撃退されていました。
でもピーちゃん、一度も爪を立てることはなかったよね。
やがてピーちゃんが少し小さくなり、蘭子が少し大きくなって、
体格差が反対になっても、相変わらずねこパンチをもらいながら、
蘭子とピーちゃんは一緒に布団で寝るくらい、
仲良しのにゃんことわんこでした。
ピーちゃん、虹の橋で蘭子に会えましたか?
一緒だから寂しくないよね。
これからは蘭子と一緒に、さっき〜を見守ってください。
また何時か、会えると思うから。
その日まで、安らかに。
ピーちゃん。